木造住宅にも種類がある!工法別に見る特徴と選び方

 

ここ数年沖縄でも木造住宅を目にすることが増えてきましたが、県民の中には「コンクリート住宅じゃないと心配!」というご意見も根強くあります。それは何故か?

やはり、木造住宅に対する知識が少ないからだと思います。

『木造住宅のことをよく知ってもらいたい!』

そこで今日は、木造住宅の工法についてご説明致します。木造住宅への知識が増えれば、マイホーム選びの選択肢も増えると思いますよ!

木造建築にはこんな特徴がある!

コンクリート等の建築に比べると木造住宅は重量が軽く、デザインの自由度も高いと言われています。また、古くなってリフォームを考えた時、木造住宅の方がリフォーム費用が安いという意見もあります(もちろんリフォーム内容にもよりますが・・・)。その反面、火気に弱いなどのデメリットもあります。

木造住宅のメリット

では、木造住宅にはどんなメリットがあるのでしょうか?

 ・建築費用が安い
 ・デザインの自由度が高い
 ・リフォームなどの維持費が安い
 ・調湿効果が期待できる

木造住宅にはお金に関するメリットの他にも、木自身が湿度の調整をしてくれるなど住環境に関するメリットもあります。使用する木材によっては癒し効果が期待できる成分も排出するそうなので、木の温もりを求める方や自宅でリラックスしたい派の方には特にお勧めかもしれません。

木造住宅のデメリット

費用や癒しのメリットがある反面、木造住宅にはデメリットもあります。

 ・火気に弱い

 ・コンクリート住宅に比べると強度が弱い
 ・耐久年数が低い

可燃性の木でてきている木造住宅は「火に弱い」と思われがちですが、その分「火災対策」もしっかりされています。現在では「省令準耐火構造」と呼ばれる対策をした木造住宅などもあり、火災を最小限に抑える方法が普及してきています。

代表的な工法 その1:木造軸組工法(在来工法)

木造軸組工法とは柱や梁といった軸組で家屋を支える建築方法で、古くから日本で採用されていた伝統工法を発展させた工法です。そのため「在来工法」とも呼ばれ、古くは縄文時代の竪穴式住居にも使われていたそうです。
と言っても、現在と縄文時代では作り方は勿論違います。現在の木造軸組工法は鉄筋とコンクリートで作られた基礎の上に、土台と呼ばれる横材をアンカーボルトで固定して造られます。さらに柱と柱を梁で水平につなぎ、対角線を筋交いで補触するなどの特徴がみられます。筋交いの数や配置場所によって、耐震強度が左右されることもあります。

木造軸組工法のメリット

これだけ長く愛されている木造軸組工法。日本人に好まれている理由は何でしょうか?

 ・昔から使われている工法のため、対応できる業者が多い
 ・間取りの変更や増築が比較的容易
 ・使用材の自由度が高く、費用を抑えやすい
 ・建築基準法改正により、耐震性能が向上している

現在でも主流とされている木造軸組工法は、日本人の気質や風土、自然環境にも対応しながら進化してきた工法と言えそうです。

木造軸組工法のでメリット

日本人に長く愛されている木造軸組工法ですが、それなりにデメリットもあります。

 ・施工する大工の技術によって品質が左右される
 ・接合部分の出来が悪いと強度に問題が出る可能性がある
 ・外来工法に比べると工期が長い

昔からある工法でも万能とはいきません。しかし、デメリットを解消する技術も進んでいます。現在では木材をあらかじめ工場でカットして用意する「プレカット工法」を取り入れ、工期の短縮や大工の技術に左右されにくい住宅建築を実現しつつあります。また、接合部分にも補強用金物が使用されるなど、耐震を重視した対策も取られるようになっています。

代表的な工法 その2:木造枠組壁工法(外来工法)

木造建築の代表的な工法として、もう一つ上げられるのが「木造枠組壁工法」です。欧米諸国で主流とされている工法で、柱や梁ではなく、壁や床で家屋を支える工法です。フレーム状に組まれた木材に、構造用の合板を打ち付けて壁や床を作ります。日本古来の「在来工法」に対して「外来工法」と呼ぶこともありますが、使用される木材の規格から「ツーバイーフォー」とも呼ばれることもあります。

木造枠組壁工法のメリット

1970年代以降日本でも普及してきた木造枠組壁工法には、一体どんなメリットがしょうか?

 ・工期が比較的短い
 ・品質が大工の腕に左右されにくい
 ・耐震性、耐火性、断熱性、気密性に優れている

使用される木材の規格が決まっている木造枠組壁工法は、合理的で工期が短いと言われています。また壁や床の枠組材が空気の流れを遮断するため、火災の延焼を遅らせる効果があるようです。。

木造枠組壁工法のデメリット

欧米で9割のシェアを誇る木造枠組壁工法ですが、やはりこちらも完璧ではありません。

 ・規格の決まった木材で枠組みを作る為、構造やデザインの自由度が低い
 ・大規模な増改築がしにくい
 ・窓やドアなど、大きい開口部が作りにくい

自分好みの間取りやデザインを重視する方にはあまり向かない工法ですが、地震や火災に強い家を短期間で建てたい方にはお勧めです。

沖縄の古民家は何工法?

『古民家の構造・建築技術』

構造・間取り

 

沖縄に現存する古民家はほとんど貫木屋形式で、屋根形状は寄棟です。

集落形態にもよりますが、沖縄の古民家は基本的に南向きで、東から一番座、二番座となり(士族や有産階級の場合は三番座もあります)その背面に裏座がおかれていました。一番座には床の間、二番座には仏壇が配置されるのが普通で、裏座には地炉(ジール)が設けられました。西側に竈を設けて台所とし火の神を祀っていました。

屋敷内の建物の配置では、裕福な家などで屋敷内の東側にアシャギという別棟を建てることがあります。西側には家畜小屋及び納屋を、北西の隅に豚小屋兼便所(フール)を設けていました。門の正面に当たる建物前面にはヒンプンをおき、邪気払いと外からの視線をさえぎる役目としました。屋敷囲いはかつては石垣とフクギなど屋敷林が多かったですが、近年ではコンクリートブロック囲いの割合が増えています。

木造建築技術

沖縄の伝統的建築技術は寺院建築等の技法を多く取り入れており、多くの類似点がみられます。
高温多湿、台風、虫害など気候風土の対応と限られた材料といった事情から、沖縄独自の技術展開も見受けられます。

『琉球国由来記』には、建築関連の技術職として「瓦工」「鍛治」「石工」「船造」「左官」「畳刺」が挙げられ、その由来が記されています。
首里、那覇を中心に、建築技術の進歩とともに棟梁を中心とした集まりが生まれます。
また、王府の建築工事に携わる人や首里・那覇に奉公に出た人などを通して、建築技術が伝播・波及していきました。しかし、地方に暮らす庶民の住宅は前述の穴屋形式であり、大工仕事の経験がある人(セークガッテ・細工勝手)を中心にしながらも村落共同体のユイマールで建てられることが多かったのです。

貫木屋形式の民家の特徴として、構造部材に釘は基本的に用いず、仕口や継手で締め固めて堅牢な小屋組みとし、建物の剛性を高めることが挙げられます。

(1)柱
柱は一般に3寸角から4.5寸角までの角材が用いられ、柱材の長さは定尺で2間、11.5尺、10尺、9尺のものを仕入れることが多かったようです。ふ つうは1間半ごとに柱を置き、雨端から3番目までの柱は礎石から母屋まで通したとのことです。開口部は差し鴨居で堅固に組み、雨端柱や軒先柱は繋ぎ梁に よって連結しました。

(2)床組み
沖縄の民家は礎石に束を置いた基礎形式であり、柱と柱の間はすべて足固めによって結び、住宅下部の軸組みを固めます。床組みでは大引き、足固め、柱等を 固定するため、桁行にはアイウトゥシ、梁行にはアシアゲと呼ばれる蟻掛けの一種が用いられ、楔や栓で締め固められます。

(3)軸組み
大貫を45cm間隔で柱に通し、これに蟻落としを行って楔締めとする貫構造であり、貫の位置によってそれぞれ地貫、腰貫、内法貫、天井貫を通しました。 貫は柱に貫穴を彫り抜いて柱をつなぐもので、流し貫の断面より貫穴を長く彫り、上端または下端に両楔を打って流し貫を固定します。沖縄の伝統工法では、筋 交いや火打ち梁などの斜め材、間柱、胴縁などは使用されません。

(4)小屋組み
各間仕切り柱の頭繋ぎに桁を、柱頭その他適当な位置に梁をそれぞれ架け渡し、さらに桁行き方向(建物平面の長手方向)に約90cm間隔で小梁を配しま す。小梁の上に小屋か母屋、または棟束を立て込み、母屋及び棟木を受けさせる二重梁形式の小屋構造です。棟木を支える棟束や母屋を支える小屋束は、屋根荷 重のバランスを考慮しながら配置されます。

(5)雨端
雨端とは一般に家屋の南面と東面に配置され、縁先に柱を立てて軒を深くする建築様式のことです。激しい雨風と強い日射をさえぎる手段であり、雨端によっ て建物外周の腰下部材の腐食を最大限に抑えることができます。軒高は2.1〜2.4mほどと低くなり、採光性は劣りますが、庭からの照り返しの光が室内を 照らしてくれます。

基本的な工法

木造の工法で代表的なものと沖縄独特の間取り造などを紹介させていただきましたが、いまや多くの工務店、建築会社がこぞって丈夫で長寿かつ安心・安全な住まいづくりを目指し日々進化を遂げています。
日本は多くの災害に見舞われる国ですが、先人の知恵を活かし、最新の技術を取り入れる事で災害に負けない建物を追い求めた結果が素晴らしい結果を出しているのですね。

私たちアイエー住宅販売はメリットもデメリットもお伝えしたうえでお客様に木造住宅をご紹介していきたいと思います。他にも様々な木造建築にまつわる記事を掲載していますので是非ともそちらもご覧ください。

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