【那覇市の木造建築】木造で平気?実情と今後の行方について

沖縄の住宅といえばコンクリート!という時代はもう終わりました。
沖縄県内の木造住宅の需要、供給は増加傾向にあり、今後もますます増える見込みです。

そんな沖縄県の木造建築の実態と今後の行方について、那覇市の物件を具体的に紹介をしつつ、お伝えして行きたいと思います。

沖縄県の住宅の歴史について

▲戦後まもない頃の沖縄の住宅(出典:沖縄建築WEB

失われた職人と資材

戦前(1941年以前)の沖縄は、伝統工法の木造住宅が主流で、職人集団がその建築にあたりました。建築資材も地元産の木材が用いられていたといいます。しかし太平洋戦争が勃発…

優秀な職人と大量の資材が戦渦の中で失われてしまいました。

島民に魅力的にうつった「コンクリート・ブロック」

戦争が終わった1940年代後半、復興にあたり、廃材を集めてつくるバラック住居も多く建てられましたが、瞬く間にシロアリの被害を受けることになります。また、この時期不幸なことに大型の台風が頻繁に沖縄を襲い、アメリカ軍施設も甚大な被害を受けました。

これにより米軍は膨大な予算を使い、施設の鉄筋コンクリート化を行います。アメリカ側が主導するかたちで建築工事に携わった地元業者は、どん欲に当時先端のコンクリート建築技術を習得したといいます。

米人住宅への憧れ、度重なる台風の脅威から逃れたいと 願望する島民にとって、コンクリート建築様式は、魅力のある建築材料でした。

琉球政府のコンクリート建築の推進

1959年、琉球政府は、本格的なコンクリート建築の推進に乗り出します。その一環として木造よりも有利な融資政策も始まりました木造より返済期間が長く、融資額も多く借りられるというものでした。この政策こそ、一般住宅のコンクリート化を急速に推進する大きな効力があったといいます。当然、学校、郵便局、公民館などの公共建築もコンクリート化が進み、沖縄の建築業界はコンクリート造の生産体制が中心になっていったのです。

沖縄県の木造建築の割合の推移について

(出典:琉球新報

2015年時点で新築の木造率は2割を突破

新築着工戸数は年によって変動しますが、木造住宅の建築戸数は08年以降、ほぼ右肩上がりで増加しているとのことです。

“15年の一戸建てと長屋建て住宅の新築着工戸数は計3691戸。このうち木造住宅の建築戸数が791戸を占め、木造比率は21・4%に上った。05年は一戸建てと長屋建ての新築着工戸数3964戸のうち、木造の建築戸数は177戸にすぎず、木造比率は4・5%だった。„
(引用:琉球新報

では、なぜ木造の数が多くになってきているのか。なぜ木造を選択する人が増えたのか。

この後は木造住宅の良いと言われている点について解説して行きます。

沖縄の木造住宅のメリット①:圧倒的に住みやすい

木のぬくもり

「そんなことかよ」と思うかもしれませんが、木材に囲まれた暮らしは精神を落ち着かせてくれます。もちろん科学的にも証明された事実です。
普段使っていなくても畳の部屋が落ち着くのと同じように、井草の香りや木の匂いは見た目の癒し以上に疲労回復の効果があったりするものです。
人生の多くを過ごす住宅である以上、リラックスができる場所は大事ですよね。

1986年に静岡大学農学部畜飼育科による住環境に関する実験をマウスを使って行われました。木、金属、コンクリートで造った箱で飼育したそれぞれの子ネズミの生存率を調査。結果は驚くべきものでした。

木の箱では85.1%、金属の箱では41%、コンクリートの箱ではわずか6.9%…
更にマウスの成長率は、木製の箱で育ったマウスの方が他の箱よりも2倍も高いという結果です。

マウスと人間は違う…それはそうです、人間の方が適応能力が高いから進化を遂げた訳です。
でも、見逃せないデータだと思いませんか?

夏は涼しく冬は暖かい

木の遮熱、断熱効果は非常に高いものだという事をお気づきでしょうか?
熱伝導率が低いので、日中のギラギラした太陽が屋根や外壁を激しく熱しても室内まで熱が届きにくいのです。
つまり冷暖房効果も高いと言えます。冷やした空気や、温めた空気が外に逃げにくいのです。

加湿器であり除湿器でもある

木材には吸放湿性という性質があります。
この性質は、湿度が高いときは湿気を吸収してくれるので梅雨や夏のべたつきの原因を抑えてくれます。

また、冬の乾燥した湿度の低いときは逆に湿気を放出してくれるので室内の乾燥状態を防ぎます。湿度をコントロールする「調湿効果」と呼ばれるものです。これによって結露やカビの発生を抑えやすくなっています。

沖縄の木造住宅メリット②:費用を安く抑えることが可能

住宅を建てる・買うという事は人生において一番高価な買い物と言っても過言ではありません。
とは言え少しでも費用を抑えられるかという点も大切な要件の一つだと思います。
一般的な住宅で木造が主流である大きな理由の一つかもしれませんね。

材料費が安い

そもそも、鉄筋コンクリート造だったり鉄骨構造だったりと比較して柱1本とっても安いのは当たり前ですね。

工期が短いから人件費が安い

一般的な鉄筋コンクリート造住宅を完成させるためには、およそ8ヵ月ほど
それに対し木造住宅を完成させるためには、およそ4-5か月ほど

工期が短い分当然人件費は少なくて済みますね。

沖縄の木造建築のメリット③:間取りやデザインの自由度が高い

家を買う・建てる時に重要な点を挙げるとするならば、「エリア」「予算」「間取り」この3つです。この3つは賃貸でも同様でよくよく考えなければならないところだと思います。
その中でも「間取り」に関しても木造の利点があるのです。

制約が少なく融通が利く

木造住宅は基礎、土台、柱、梁で屋根を支える構造です。
これら構造体さえ強度を維持していれば、そのほかの部分は融通が利く。
つまり、間取りやデザインの設計に制約が少なく、自由度が高いので「予算」が許すならば大胆な発想の住宅も実現性が高いのです。

家族構成の変化

家を買うときに考えるのは現在の家族を軸に間取りや形状を考えますよね。
寝室、書斎、客間、子どもたちの部屋…庭でBBQしたいなぁ…車は2台停められればいいか…などなど
近い将来のことは考えやすいですよね、

しかしもう少し先の未来を考えると

「将来的には子ども達が、それぞれの部屋を欲しがる…」
「子どもがそろそろ車の免許を取る…」
「子供たちが巣立って部屋が余るだけだな…」
「両親も歳だし同居を考えようかな…」
「結婚して出ていった子どもが孫と共に、この家に住みたがっている…」

もう考え始めたらきりがないですね…

そんな時々に考え、思い浮かぶのがリフォームや増改築です。
ここでも自由度が高いのが木造住宅です。
完成した鉄骨や鉄筋コンクリート造住宅だと構造上や重量の配分のために増改築に制限が大きく無理に部屋数を増やして生活のしづらい間取りになってしまったりする事が多くみられます。
その点自由度の高い木造住宅は主要の柱や梁を除けばかなり自由なリフォームが可能です。
また、費用負担に関しても当然木造の方が費用も軽く、家族構成の変化によって柔軟に対応できるのも大きな魅力の一つですね。

沖縄の木造建築のメリット④:メンテナンスも低コスト

昨今、築40年前後の鉄筋コンクリート造住宅の取り壊しが多いのはなぜか?

RC、鉄筋コンクリート造とは経年により、コンクリート自身が風雨に晒されて劣化し、亀裂が入り雨水が浸入、それによりコンクリートの中の鉄筋が錆びて膨張してコンクリートを弾き飛ばす(爆裂)といった傷みが激しい住宅ばかりだからです。

原因は明らかでメンテナンスを怠ったという理由。

高額な建物を建てれば、ずっと建ち続けるという訳ではありません。
当然放置すれば家も壊れていくものです…
まして前述の内部の鉄筋の錆は致命傷です。外側から直せないのですから…なんくるならないのです!

定期的な外壁の塗装、屋上部分の防水シートの張替え、それに伴う足場設置費用、職人さんの人件費…etc…

建てる費用が高い分、メンテナンスにかかる費用も木造住宅よりはるかに高いのです。

那覇市の木造建築〜具体例をご紹介〜

【新築木造一戸建て】那覇市具志第一《1号棟》全3棟

▶︎所在地: 沖縄県那覇市具志
▶︎交通 :バス 徒歩9分(松川入口 停歩9分)
▶︎間取り: 4SLDK
▶︎面積: 97.20m²
▶︎土地面積:149.14m²

価格:3780万円

この広さ・間取りでこの価格。それは上で説明した通り、やはり木造建築が故に建築コストを抑える事ができるからなんですね。

その他の物件をチェックした方はこちらをご覧ください。

沖縄県の木造建築〜まとめ〜

今後の沖縄は確実に鉄筋コンクリート造の物件よりも木造の物件が主流になります。

古くからある家から学べる事

築200年を超える沖縄県中城村の国指定重要文化財-中村家住宅-をご存知でしょうか?

(出典:OKINAWA

こんなにも古くから建つ木造住宅が、何度も襲来している大型台風に耐え、シロアリの被害を受けずに200余年建ち続けるにはちゃんと理由があるんです。

もちろん当時の技術では考えられないぐらいに今の木造住宅は進化を遂げています。
地震、台風、火事、シロアリ、塩害などなど
様々な、建物に対する不安要素を取り除く技術を当サイトではお伝えしていければと思います。

こちらのリンク先もご覧ください
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沖縄で木造住宅??シロアリは大丈夫なの?
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沖縄にRC(鉄筋コンクリート)が根付いた理由と現代の木造
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また、インターネットでは伝わらない木造建築の魅力がたくさんあります。
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