沖縄の木造住宅『塩害』について〜島であるが故に悩まされる潮の被害〜

沖縄の素晴らしき環境に潜むデメリット 木造住宅への影響

沖縄といえば…強い日差し、白い砂浜、どこまでも続く青い海、心地よい風

内地や海外からも憧れをもって移住してくる人たちが近年増えているとか…
中には海辺の家に強い憧れをもって住み始めた方も居るんではないでしょうか?

沖縄の離島はもちろん、本島もやはり小さな島です。
東に行けば太平洋、西に行けば東シナ海。
小さな島だから風もよく抜けていきます。

そう、潮風が抜けるという事は、塩害が起きるという事です。

塩害による被害は大きく分けて3つ

 錆?サビ?

 ガラスの曇り

 破壊

錆?サビ?

塩害被害で真っ先に思いつくのはやはりサビですね。
「サビ」もうこれは全国どこにいても目に見えてわかる金属の劣化現象ですが…
やはり海沿い、潮風の影響は半端ないものを感じます。

何が違うのかって、そのスピードです。

そもそも、サビは腐食現象と呼ばれている科学なのです。
金属、主に鉄は空気や水に触れるとイオン化し、このイオンが大気または水溶液に溶け出し、残された電子が腐食電流として流れることでサビが進んでいきます。

とは言え、金属の+イオンが、ゆっくり、ゆっくりと腐食していくのが通常の反応ですが、塩と呼ばれている素材「塩化ナトリウム(NaCl)」の塩化イオンは、腐食現象を加速させる悪い奴です。もう腐食現象のドーピングです。

自転車、バイク、車はもちろん、住宅設備にも潮風の影響があります。常に外にさらされている給湯器や水道の蛇口、エアコンの室外機、ポストやら何やら…サビに気を付けなければならないところが至る所にあります。

ガラスの曇り


海に近い家や、南風が吹込む夏場は、海水に含まれていた塩が風に乗って窓ガラスに付着します。
付着した塩分はベタベタしているので汚れも付きやすいので視界が悪くなります。
「その程度の事」ではありません…視界が悪い景色はストレスですよね。
しかも年中風が吹いているのでキリがない(;´・ω・)

潮の掃除は水道水をたっぷりかけながら柔らかいスポンジで優しく洗うだけで簡単に落ちます。
流した水にも潮が含まれサッシ部分が腐食しやすくなるので、完全に流しきるように気を付けてください。

最近では潮対策用のガラスコーティングができるものもホームセンターなどで売られるようになっていますね。

破壊


別に物騒だなぁと思ってほしくて衝撃的なサブタイトルにしたわけではないですよ。本当に潮風がもたらす害の一つで破壊活動があるんです。「錆」のところでも少し触れましたが、給湯器やエアコンの室外機などの機械ものは金属ありきなのでやはり錆が原因で故障してしまう事はよくある話です。壊れるという意味合いでは、錆もまた破壊の一部なのですが、金属素材はもちろん、建物全体が塩害の被害に合うことを知っておいてください。
建物のメンテナンスを怠ることで、屋根や外壁に亀裂が走り、内部に雨水や潮が入り込むことで、木材や金具の腐食や、鉄筋などの主要構造部への錆という腐食が原因で鉄筋の膨張が起こり壁面に使用していたコンクリートが爆裂し外壁がボロボロと崩れだしたりする可能性があります。近年増加している空き家問題でも、このあたりの問題が取り立たされています。破壊というより崩壊といった家も出てきています。

屋根・外壁を放置しておくと、建物の劣化が早まり、長く住めない家になってしまうという事です。
例えば以下のように、海沿いの地域では塗料の耐用年数の劣化が早まります。
山沿い  10-15年
海沿い  5-8年
このように、海沿いというだけで潮風に当てられ、塗料の耐用年数が短くなってしまい、屋根・外壁塗装の住宅メンテナンスの時期が通常より早まります。
メンテナンス時期が早まることで、単純に通常よりも費用がかさみ、大きな負担に…塩害対策を行わないとメンテナンス費用が高くなる事をお忘れなく。かといって、通常よりも頻繁、かつ塩害対策用の塗料を塗らなければならないのは考え物です。外壁にはサイディングボードの使用が望ましいと言われます。

樹脂サイディングは塩化ビニル樹脂製の外壁材のため、サビたり腐食する心配がありません。この耐性が、塩害を防いでくれ経済的にも負担が軽くなります。外壁の張替えや住居の購入の際は、樹脂サイディングの使用も検討材料の一つとして考えましょう。

また、樹脂サイディングはもともと色(顔料)が加えられていることが多いので、塩害による色落ちがしにくい特徴もあります。

塩害がもたらす様々な現象

潮風が原因で起こるのはサビだけじゃないんです。メンテナンスの重要性もお分かりになられましたでしょうか?塩害だけにとどまらず、住宅のメンテナンスには何が必要なのか、というところも今後お伝えしていければいいなと思います。

 

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